給水車とは?価格や課題、代替品車載式組立給水タンク・簡易水槽として使えるホリフトウォーター
給水車の仕組みや構造
給水車とは、災害などで断水が発生したときに飲料水や生活用水を供給するための自動車です。医療防疫車や郵便車と同じ特殊用途化自動車に分類されています。給水車の法定耐用年数は7年です。厚生労働省によると、給水車の供用期間は約15年~20年です。給水車の更新の目安は、使用年数が20年以上か、累積走行距離が40万~50万㎞に達することとされています。
車体に貯水タンク、給水ポンプ、蛇口、水面計、ポンプ、VC装置、ホース格納箱、コックなどが搭載された構造になっています。タンク部分は、ステンレス製やアルミ製の製品があります。また給水車本体タンクに上部から給水するために、梯子や階段が設けられているものもあります。
給水車からの貯水・給水には、組み立て式給水タンク(1000ℓ容量)ホリフトウォーターがおすすめです。組み立て式で輸送・保管も省スペース、飲用水にも使用できます。断水時に給水車から直接水を貯めて、2つの蛇口から効率的に水を配ります。
日本政府のウクライナ支援物資としても採用され、学校や自治体、上下水道局などで続々と導入が進んでいます。満水状態でトラック輸送できる耐久性があり、災害時に飲料水や生活用水を運ぶ車両積載用タンクとして活用できます。
給水車の代用品としての活用方法:トラックにホリフトウォーターを載せ、各地を巡回すればトラックが給水車の代わりに!
断水現場では、給水車の不足が大きな課題となっています。
東日本大震災の際は、給水所で2~3時間の行列が当たり前の状況でした。
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給水車の種類と給水方式
給水車の種類は給水方式によって、重力式・加圧式・真空ポンプ式の3つに分けられます。それぞれの種類の特徴をご説明いたします。
重力式給水車
重力式給水車とは、重力を利用した給水方式の給水車です。蛇口がタンクよりも下にぶら下がるように設置されており、重力によって水が放出されます。タンク内の水が一定量以下になると水圧が弱まるため、水の出力を調整しづらいというデメリットがあります。一方でポンプが不要になるため重力式を採用した給水車は比較的安価に購入できるというメリットもあります。
加圧式給水車
加圧式給水車とは、重力に任せて放出するのではなく、加圧ポンプで水圧を調整して水を放出する方式の給水車です。水の放出スピードを最後まで一定保てるので効率の良い給水ができるというメリットがあります。重力式とは違い、下から上へ水を送ることができるので、学校や病院などの施設の屋上に設置された受水槽にも給水が可能です。加圧式は現在では最もポピュラーな給水方式ですが、重力式と比較して給水車の価格が高価になりやすいというデメリットもあります。
真空ポンプ式給水車
最後に今ではほとんど採用されなくなった給水方式には真空ポンプ式をご紹介します。真空ポンプ式とは、給水車の給水ポンプを利用して給水する方法です。
加圧式給水車は給水効率が高く、一方で高価で台数が限られているため、加圧式の給水車をより効率的に稼働させることが応急給水の効率向上に繋がります。例えば、加圧式と非加圧式の給水車で応急給水を行う施設を分けることも有効です。人命に関わる医療機関の受水槽やキャンバス水槽には加圧式の給水車で優先的に給水を行い、応急給水を行う施設へは非加圧式の給水車で給水を行うという方法なら重要な施設に対してより迅速に給水を行うことができます。
給水車の水はどこからくる?
給水車の水はどこからくるのでしょうか?断水時に巡回する給水車の水は、上下水道局、水道局の上水道の水源から来ています。
断水時に給水車を出動させるのは、多くの場合、その地域の水道局又は、役所の水道課です。そのため給水車の水は、その地域の正常に稼働している上下水道局、水道局の上水道の水源から清潔な水を補給します。そして断水地域や、水圧低下地域、濁り水が出た地域の給水所に向かいます。
水源との距離によって給水所との往復に時間がかかる場合もあります。
給水車の運転に必要な免許
給水車を運転するためには基本的には大型免許が必要です。実際は車両の総重量によって必要な免許や資格は異なります。軽量化されたアルミ製タンクの給水車の中には、準中型免許(5t限定)でも対応できる製品もあります。
車両の総重量による必要な免許の区分
普通免許:車両重量5t未満、積載量3t未満、定員10名以下
中型免許:車両重量5~11t、積載量3~6.5t、定員11~29名
大型免許:車両重量11t以上、積載量6.5t以上、定員30名以上
また、車両総重量が750kgを超える場合には、上記以外にけん引免許も必要になります。
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給水車の購入価格
給水車の購入価格は、約1000万円~約1500万円が相場とされています。非常に高価であるため給水車を複数台配備している自治体・市町村は未だ多くはありません。そのため大規模な断水が発生した場合は、他県や他市町村から給水車の派遣活動が実施されています。
給水車の購入価格の実例として、福岡県の糟屋地方にある古賀市の給水車の購入事例をご紹介します。古賀市の給水車は、車両2トン、タンク容量1100ℓ(災害発生後の72時間で366人分相当)のスペックで購入価格は約1400万円です。
(情報元:Twitter)ぬま健司|福岡県古賀市議会議員.[@Numa_Kenji*] [(2020年11月18日) ツイート]11月18日、古賀市が配備した給水車を見学。災害や工事による断水時に、1.1トンの水を供給できます。給水蛇口は3口あります。いざという時に安心です。購入価格は約1400万円です。
給水車のレンタル価格
給水車のレンタル料金は、1日平均1万~2万円程度です。2トン給水車の場合と4トン給水車の場合では、4トン給水車のほうがレンタル料金が数千円~1万円程度高くなります。また、上記の金額以外にも免責補償加入料や給水費用が必要になる場合もあります。給水車を新規購入する場合は、1台1000万円以上、年間維持修理費が約30万円に付随して運転者の給与約400万円も必要になります。給水車の購入が困難な場合は、レンタルという選択肢もあります。
非常時に断水地域に水を円滑に届けるための備えとしては、トラックの荷台に載せれば普通のトラックを給水車として活用できる組立式大型給水タンク「ホリフトウォーター」もおすすめです。
給水車の維持修理費用(メンテナンスコスト)
給水車の購入価格は前述のとおり1000万円台ですが、実際に所有する上では維持修理費用、いわゆるメンテナンスコストも必要になります。給水車は常用する設備ではありませんが、いざという時に正常に機能させるためには日頃の管理が重要です。
給水車の維持修理価格を厚生労働省が散水車の標準使用年数および維持修理率をもとに算出したデータをご紹介します
ウ.基礎価格 = 10,000 千円(給水車費用に同じ)
エ.標準使用年数 = 12 年(出典)
オ.維持修理費率 = 35 %(出典)= 0.35
カ.1 年間当たりの維持修理費 ={(ウ)×(オ)}÷(エ)
= { 10,000 × 0.35 } / 12
= 292 千円/年 (出典:付 録 - 厚生労働省)
給水車の維持修理費は、年間292000円。
つまり給水車を新しく購入し所有する場合は年間約30万円程度のメンテナンスコストが必要です。
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給水車の台数不足
日本水道協会のデータによると全国の事業体の給水車の保有台数は1,286台です。多くの市町村において給水車の配備は十分ではなく、給水車の不足は大きな課題となっています。不足した給水車の台数を補うために、地元の自衛隊や民間事業者が保有している給水車の台数を予め把握し、事前に協定を結んで応急給水への協力体制を構築するなどの方法が現在検討されています。
給水車による応急給水の課題
給水車による応急給水活動には、迅速な給水活動を妨げる以下のような課題があります。
①給水車のホースから直接給水する場合は、給水に並ぶ人全ての個別容器に水を注ぎ終わるまでその場にとどまる必要がある。
②給水所によって給水量が異なり、事前把握が難しいため給水時間が定刻に行うことができない。その結果給水を待つ人に負担がかかる。
③給水車を運転する作業者は、運転だけではなく給水の補助や袋詰めなど給水所における幅広いサポートをするケースが多く負担が大きい。
仮設水槽による給水車の効率運用補助事例
給水車から直接住民に給水を行う場合は給水車が1つの給水場所に長く足止めされ稼働効率が低下します。これは応急給水場所に仮設水槽を設置することで大幅に改善されます。
給水車は仮設水槽に給水し、住民は給水所に設置されている仮設水槽から自ら給水します。住民が自ら給水を行うため、給水車を運転する作業者は運転に集中することができ負荷軽減されます。給水車が水を補充に移動している間も、仮設水槽からは途切れなく給水を行うことができるので、水を必要とする人々の負担も軽減されます。弊社の給水タンク「ホリフトウォーター」は、令和元年東日本台風、熱海市伊豆山土砂災害、令和4年9月静岡県清水区などの断水において、仮設水槽として活用されました。
全国的に給水車の台数が不足しており、非常時には他県からの応援や、民間事業体や自衛隊などの協力によって給水車を必要な地域に派遣しています。しかし給水範囲が広域となると、給水車による給水活動はひっ迫します。特に給水車から直接給水を行う場合は、1つ1つの個別タンクに水を入れるまで給水車は動くことができません。屋外に長時間行列することは、肉体的にも心理的も、大きな負荷がかかります。上記のような問題を解決するために、仮設水槽や組み立て式給水タンクの配備が全国で推進されています。堀富商工株式会社のホリフトウォーターをご紹介します。
組み立て式仮設水槽として全国で普及が進むホリフトウォーター
ホリフトウォーターは、軽量で簡単に組み立て可能な応急給水タンクです。食品衛生法に適合した内袋式で、使用後の洗浄作業が不要。内袋部分の交換のみです。いざというとき、大人2人で手作業で5分で組み立て、ホリフトウォーターの設置場所がそのまま給水所に早変わりします。普段はコンパクトに収納して、非常時には大人2人で簡単に持ち運び・組み立てられます。保管時は、ポールを赤い土台部分のパレット内に収納することで、高さ23㎝に。
容積比約5分の1で、大容量かつ省スペースな製品です。
→ホリフトウォーター製品ページ
トラックに積載した仮設水槽
ホリフトウォーターは、車載式組立給水タンクとしての活用事例もございます。事業体が保有するトラックに載せて水を必要な場所に運び、そのまま給水を行い、次の給水スポットへ向かいます。簡易的な給水車としての役割を果たすため、給水車不足をカバーすることができます。実際に断水が発生したエリアで運搬給水の用途に使用されました。仮設水槽としての活用以外にも、給水車の代替としてご利用頂けます。
こちらは令和元年台風19号の断水エリアに無償の給水支援ボランティアを実施した際の写真です。いわき市は台風19号の影響により平浄水場が浸水、被害が発生したため運転停止となりました。同市平、四倉、久之浜、豊間などの地区で4万5400 世帯が断水しました。10月15日大浦公民館にホリフトウォーターを1基設置し、いわき市給水車で給水を行いました。その他、各地域にも計8基を設置しています。
→給水支援活動について
ホリフトウォーターは、高価な給水車の代替品や給水所に設置する仮設水槽としてご利用頂けます。省スペース・軽量で扱いやすく、圧倒的な実用性を評価され、全国の学校や企業、自治体、上下水道局などで採用されています。
災害用給水タンクホリフトウォーターに関するご相談は、お問い合わせフォームよりお気軽にお声がけください。また組み立て方法や製品の特長など、ホリフトウォーターの詳細は以下の製品ページからご覧頂けます。
→ホリフトウォーター製品ページを見る