
防錆梱包防錆梱包材の選定方法と、正しい使い方
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※現在無料公開中。防錆梱包の種類や特徴、防錆試験方法など
防錆梱包の全て
防錆梱包とは、金属や鉄などの製品を輸送・保管中の周囲の環境など外的要因による科学的・機械的・物理的な影響から守るだけでなく、腐食の進行を遅らせることにより錆から守る梱包です。防錆梱包を選択する際は、製品の形状や材質・表面処理などの条件も考慮する必要があります。製品や使用する環境・ご要望に合わせ防錆梱包を正しく行うことで、製品を錆から守り安心してお客様や次の工程に引き渡すことが可能になります。
- ラッピング
- 防錆油のように内装材に付着し染み出す性質のものは周囲の汚損や防錆効果の減少につながるため、防錆剤を使用しそのまま内装材にくるむのではなく多くの場合、内装材のもう1つ下にラッピングが施されています。このラッピングにはアルミ箔やポリエチレン・ポリプロピレン・ナイロン・ポリエステルなどを張り合わせたラミネート製品を使用します。
→弊社のラミネート製品一覧を見る
- 内装
- 梱包内に湿気が入ると錆の発生原因となります。ラッピング後、防湿防水シートや防水防湿塗工を行ったボックスで梱包し湿気や水分を防ぎます。
- 外装
- 外装とは製品を単位ごとにまとめ外的要因から製品を守る梱包の一番外側部分をさします。防錆梱包の場合は、外装材自体に湿気を含む木材などを使用する場合は注意が必要です。
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STEP1.
防錆梱包の手順①前処理
防錆を行う前には必ず洗浄作業を行います。洗浄の方法には、溶剤を使用したものや加圧空気を吹き付けるもの電解を利用したものなどがあります。金属の性質に合わせた前処理を行うことが重要です。適切な前処理を行うことにより防錆効果を長期間維持することができます。
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STEP2.
防錆梱包の手順②乾燥
前処理によって水分が付着した場合、放置していると錆が発生します。水分をふき取り、または専用の機器を用いて乾燥させる必要があります。乾燥せずに防錆油を塗ると防錆油の濃度が適切な状態を保てないというデメリットもあります。
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STEP3.
防錆梱包の手順③梱包(内装材・外装材・ラッピング)
梱包は通常内装材・外装材と製品をもっとも間近で包むラッピングがあります。輸送や保管時の状況に合わせて選択します。
防錆梱包の注意点
防錆効果を最大に発揮させるため梱包の前に洗浄を実施し、指紋や油分などの汚れを除去してから使用してください。気化性防錆剤は使用するタイミングで開封しましょう。防錆梱包資材の破損や破れ、また湿度や結露に注意してください。梱包時は防錆紙や防錆フィルムを金属になるべく近づけた状況で梱包し、間に別のものを挟まないようにします。
錆の発生メカニズム
鉄材は自然環境においては鉄鉱石などの状態で存在します。酸化した状態が鉄本来の安定した状態ともいえるのです。これを人為的に精錬し金属を単離させたものが「鉄」です。鉄は本来の安定した状態に戻ろうとし酸化していきます。錆とはその化合物を言うのです。
錆の進行には「酸素」と「水分」が不可欠です。湿度や温度の影響も受けながら、空気中の水分が鉄の表面に付着(結露)し、空気中の酸素により酸化されて、錆の発生が始まります。錆の進行速度は、相対湿度60%RHで増大すると言われています。そのため鉄の酸化(錆)を防ぐためには水と酸素を遮断することが重要です。
防錆材にはフィルムやシートのほかにもコーティング剤やオイルなど使用場面によって様々な種類があります。また鉄用や非鉄用、合金用など素材に応じた配合がなされます。堀富商工ではクラフト紙に気化性防錆液を含浸させた防錆紙を製造しています。防錆紙は、金属を錆から守る梱包資材です。金属や合金などの素材の腐食速度を低下させる防錆剤を紙やフィルムに含侵したものです。気化性防錆紙から防錆剤が揮発し、密封状態になった梱包物の内部で蒸気となって金属表面に付着し錆を防ぎます。
貴社の製品に最適な防錆梱包の方法のご提供なら堀富商工株式会社にお任せ下さい。
⇒気化性防錆紙の商品一覧はこちら
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※現在無料公開中。防錆梱包の種類や特徴、防錆試験方法など
防錆梱包の前処理の種類 | 前処理の主目的 | 前処理の方法 |
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汗・指紋の拭き取り | 錆の原因となる塩化ナトリウムを含む指紋・汗などの除去 |
メタノールの使用や指紋除去効果のある錆止め油の塗布など。 |
溶剤による洗浄 | 溶剤による製品の洗浄 | 溶剤に製品を浸けるかスプレーするなどして洗浄します。複数回行う場合もあります。 |
スチーム洗浄(規制有) | スチームによる頑固な油脂汚れの除去 | 塩素化炭化水素を使用して蒸気脱脂を行います。 |
アルカリ洗浄 | 金属製品に付着した工作油の除去 | 界面活性剤などを含有したアルカリで洗浄します。 |
乳剤洗浄 | 金属製品に付着した工作油の除去 | 乳化剤を溶剤に溶かし入れ金属を浸し、取り出して水を吹き付けて付着した油分を乳化させます。 |
超音波洗浄 | 他の方法で洗浄を行った後の仕上げ | 超音波を使用し金属表面の微細な孔から汚れを取り除きます。 |
加圧空気法 | 塗膜部の汚れを除去 | 加圧した空気を吹き付けて汚れを吹き飛ばします。 |
助せい方法 | 錆や汚れを除去 | 金属製品に合わせて、酸やアルカリ・電解を用いて徐せいします。 |
以上、防錆梱包についてご紹介しました。防錆対策製品には防錆紙、防錆フィルム、防錆油、水溶性防錆剤、気化性防錆剤などがありますが、鉄や金属製品の防錆梱包には洗浄不要の気化性防錆梱包がおすすめです。防錆紙や防錆フィルムを使用した防錆梱包なら、防錆と梱包が1工程で完了し、短期間での使用であれば再度封をすれば開梱後も防錆効果を維持できます。※半年以上の長期保管の場合は別の防錆紙を入れるか、新しい防錆フィルムで梱包が必要になります。
さらに防錆油のようにべたつきや汚れが気にならず、複雑な形状の製品にも気化した防錆剤がしっかりと錆を防ぎます。開梱後、塗布・除去・処理廃棄のための設備装置も不要です。省スペース、低工数、低コストで、環境負荷が軽減できるというメリットもあります。貴社の防錆梱包コストをこの機会に見直してみませんか?お客様のご状況によっては、防錆紙・防錆紙フィルムの採用で大幅に省工程・コスト削減が可能になるかもしれません。
気化性防錆紙・防錆フィルム・ラミネートのメーカーをお探しなら、弊社にご相談ください。自社一貫生産の気化性防錆紙で金属製品を錆から守ります。弊社の防錆資材には透明性が高く中身を確認しやすい防錆フィルム、紙の梱包資材として使いやすい防錆紙などがあります。防錆材を含んだ防錆紙や防錆フィルムは、ロール巻・シート・平袋・角袋など使用用途に合わせてサイズや仕上げ方法も選ぶことができます。アルミ蒸着シートをラミネートして防湿性や防水性を高めることも可能です。
防錆梱包資材についての試作・開発のご相談は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。
→防錆紙・防錆フィルム製品を見る
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当記事は防錆の専門知識を有する担当者の監修を受けています。
記事監修者プロフィール
所属:堀富商工株式会社 品質管理グループ
資格:防錆管理士(防錆包装科) 認定番号:15155
氏名:小川浩之